「加戸さん、なぜあんな映画(光と闇の遺産)を作れるのかと思っていたが、オーディオコメンタリーで納得した。この人はいろいろな意味で優秀」
「じゃあ、このBDは買って良かった?」
「ああ、長年の疑問が解消された」
「他には?」
「森田さんも良かったし、マニアではない小野さんと語っているのも良かった。全体的にマニアトークに偏っていないから。結果として核心に近づけた。より厳密に言うと、TVシリーズは鈴村さんのようなマニアがオーディオコメンタリーに出た方がより核心に近づけるが、追憶の航海は逆」
「他に何か気になったことは?」
「オーディオコメンタリー以外の特典の一部は、TVシリーズ準拠になっていて、追憶の航海を見るための助けにあまりなっていないのが気になった」
「一部解釈が違うわけだね」
「ただ単に、【ダイジェスト】という解釈で作っちゃった特典映像があった気がする」
「カットされた部分を補完してやるぜ、的な?」
「そう。でも、違う。カットは不足ではなく価値なのだ」
「それは情報の足し算で生きているオタクには理解しがたいのでは?」
「それは引き算で生きている自分はオタクに理解されないという意味かね?」
「いやべつにそういう意味では」
「当然、おいらのその点は理解されていないよ。ははは」
「笑うところかっ!」
試行錯誤 §
「けっこう試行錯誤していたようだね」
「それは意味があるの?」
「そうさ。素材は限定されている。どう組み合わせれば良いのかは、やってみないと分からない面も多い。他人の反応を見ることも大事だろう。ゼロから作るのとは話が違うよ」
オマケ §
「というわけで、おいらのヤマト2199はこの映画で完結しちゃった感がある」
「方舟は見ないのかよ」
「見るけどさ。もうたいていのことはやり尽くされているからなあ」
「大帝?」
「ズオーダーじゃねえ!」